杉並区議会議員選挙スタートまで、あと1週間。区選挙管理委員会によるボートマッチ(投票マッチング)の実施断念を受けて、区民有志による代替企画「杉並区議選ドラフト会議」が立ち上がり、このたびサイトが開設されました。2023年4月10日に行われた会見の様子が、ツイッターでライブ配信されています。
会見によると、すべての立候補予定者(2月19日開催の説明会参加者)にアンケートを送付したとのことです。私のもとにも3月22日に質問が届き、質問ごとに記入できるコメント(80字以内)とともに、翌23日に回答しました。
なかには、用意された選択肢では判断できないため、「回答しない」とした質問もありますが、それらについてもコメントで説明させていただいております。私の回答およびコメントをご紹介します。
重要視する政策(3つまで)
【回答】教育、ジェンダー平等、文化・芸術
(その他の選択肢は「子育て」「医療」「介護・高齢者福祉・障がい者支援」「環境(自然・気候危機)」「都市計画・街づくり」「物価高騰対策」「地域経済」)
都市計画道路・再開発問題(阿佐ヶ谷・高円寺・西荻窪)について
【回答】立ち止まって見直す(その他の選択肢は「推進する」「回答しない」)
【コメント】天災時の二次災害対策は、一定程度必要。しかしインフラについては、コロナ禍による交通量の変化も鑑み、道路拡幅ではなく公共交通拡充などの対策が、現実的だと考えます。
施設再編(児童館・ゆうゆう館などの廃止)について
【回答】立ち止まって見直す(その他の選択肢は「推進する」「回答しない」)
【コメント】より深い議論が必要と考えます。私自身、学童クラブでの「他校児童との交流」によって、感性を育んだこともあり、学校以外の居場所(サードプレイス)の重要性を感じます。
パートナーシップ制度について
【回答】賛成する(その他の選択肢は「反対する」「回答しない」)
【コメント】家族のかたちは十人十色。「あらゆる違いが生きる街に」を掲げる私としては、性的マイノリティのみならず、事実婚も対象とする制度改正に向けて、議論を前進させたいです。
学校給食の無償化について
【回答】賛成する(その他の選択肢は「反対する」「回答しない」)
【コメント】周辺自治体の導入が相次ぎ、杉並区の「子育てイメージ」が相対的に急降下しています。政府が動くまでの「時限措置」ならば、恒久的な財源でなくとも実現可能と思われます。
区内在住の外国人の政治参加を認める住民投票条例について
【回答】回答しない(その他の選択肢は「賛成する」「反対する」)
【コメント】まずは「選挙」と「住民投票」の違いを、多くの区民が理解するところから始める必要があります。前提知識を身につけたうえで議論しないと、さらなる分断を招きかねません。
杉並区議会の半分を女性議員にする
【回答】反対する(その他の選択肢は「賛成する」「回答しない」)
【コメント】「男女以外の性別」にも配慮が必要。私は女性の政治参加推進の立場ですが、それは「性別関係なく、最適な議員を」との思いからで、人数比を変えるだけでは解決できません。
杉並区による家賃補助制度の拡充について
【回答】回答しない(その他の選択肢は「賛成する」「反対する」)
【コメント】コロナ禍や物価高を鑑み、切れ目なく支援できるよう、政府や東京都と協力を強めるべきです。ただ区単体政策については、対象者や額など論点が多く、賛否で回答できません。
こどもの権利条例制定について
【回答】回答しない(その他の選択肢は「賛成する」「反対する」)
【コメント】理念として賛成しますが、制定ありきではなく、当事者である「子ども」の意志を尊重する必要があります。もし子どもたちが「不要」と結論づければ、その判断を支持します。
気候危機対策のひとつとして、脱クルマ社会を目指すこと(自転車推進など)について
【回答】賛成する(その他の選択肢は「反対する」「回答しない」)
【コメント】杉並区は鉄道駅やバス路線が多く、その補完として自転車利用に適した街です。一方で、諸事情により車移動が必要な方々が、不便を強いられないような配慮も必要と考えます。
杉並区に約486億円ある財政調整基金(R4.3.31現在)についてどう思いますか?
【回答】回答しない(その他の選択肢は「このまま維持する」「積極的に使う」)
【コメント】言うなれば「適度に使う」。財政調整基金は、いざという時の財源不足に備えるものです。やむなく使う場合には、区民の多くが恩恵を受けられる「住民減税」などを望みます。
都市マスタープランについて
【回答】賛成する(その他の選択肢は「反対する」「回答しない」)
【コメント】杉並区まちづくり基本方針では、地域ごとの現状と課題が、わかりやすくまとめられています。欲を言うと、10〜20年後より先を見越したビジョンもあれば……と感じます。
岸本区政を5段階で評価すると
【回答】★★★★
【コメント】「対話」を掲げる姿勢は、前区政からの大きな変化です。一方で、僅差での当選ながら大胆な政策転換を推し進めることにより、区内の「分断」が加速している印象も受けます。
前区政も5段階で評価すると
【回答】★★★
【コメント】前々区長時代に制定された多選自粛条例(通算3期まで)を、前区長が就任当初に廃止したことが、区政末期に続々と表面化した不祥事の遠因になったのでは、と考えています。
選択的夫婦別姓について
【回答】賛成する(その他の選択肢は「反対する」「回答しない」)
【コメント】区政ではなく国政事案だと考えますが、家族形態の多様化もあり、選択的夫婦別姓は必要との立場です。区政においては、旧姓を通称使用しやすい環境づくりからだと感じます。
統一教会に対する解散命令について
【回答】回答しない(その他の選択肢は「賛成する」「反対する」)
【コメント】私に旧統一教会とのつながりはありませんが、解散命令は区政でなく、国政での事案なので回答を控えます。区政を離れた個人としては、被害者の救済が進むよう願っています。
原発について
【回答】段階的に廃止する(その他の選択肢は「即時廃止する」「現状を維持する」「新増設などによってさらに推進する」「回答しない」)
【コメント】国政案件だと考えますが、コストや資源面で代替となる発電方法が見つかり次第、徐々に移行する必要があると感じています。区政では電力消費を抑える工夫からでしょうか。
憲法9条について
【回答】回答しない(その他の選択肢は「守る」「改正する」「廃止する」)
【コメント】日本国憲法は区政でなく、国政事案なので回答を控えます。なお一般論として、あらゆる決まりごとは、できるだけ「解釈の余地」を残さない形態が望ましいと考えております。
5年間で総額43兆円(43,000,000,000,000円)という防衛費増額について
【回答】回答しない(その他の選択肢は「賛成する」「反対する」)
【コメント】防衛費は区政でなく、国政事案なので回答を控えます。なお個人としては平和な世界を望みますが、サイバー攻撃など兵器を要しない脅威を前に、議論の余地はあると考えます。
インボイス制度について
【回答】反対する(その他の選択肢は「賛成する」「回答しない」)
【コメント】基本的に国政案件ですが、ひとりのフリーランスとして回答します。納税の公平性については一定程度の理解を示していますが、経理業務が煩雑化することには懸念しています。
ふるさと納税について
【回答】賛成する(その他の選択肢は「反対する」「回答しない」)
【コメント】「財源流出」と非難するだけでなく、制度の活用へシフト。周辺自治体の住民からの寄付金をイベント事業の財源とすることで、「寄り道消費」を喚起させるなどを提案します。