(以下はコラムニスト・城戸譲が、ポッドキャスト「のらニュース」などで話した内容を、AI文字起こし・要約によってブログ記事化したものです。公開時点で最新情報ではない可能性があるため、その点はご了承ください)
2025年5月8日木曜日、のらニュースでございます。
仕事が一段落したので、夕方になりますが、のらニュースをとらせていただこうと思っております。
タイミングを合わせたいですね。午前中にこのポッドキャストを録って、文字起こしが終わった夕方ぐらいにブログ版を公開するというサイクルができれば良いなと思いつつも、今日は、この後紹介するニュースが、午後に動きがあるようだったので、逆算すると早めに取るよりは、結論が出てからご紹介したほうが良いのかなと思い、こうなりました。
5つの「バリュー」を掲げる安野新党
まず1つ目のニュース、政治の話題をご紹介いたします。
昨年(2024年)の東京都知事選に出馬したAIエンジニアの安野たかひろさんが、新党「チームみらい」を結成すると発表しました。
キャッチフレーズは「テクノロジーで誰も取り残さない日本へ」。ミッションは「テクノロジーで政治をかえる、あなたと一緒に未来をつくる」です。

具体的には、横文字が多くて難しいのですが、「バリュー」、つまり価値観の部分が、この政党の政治理念に近いものになると思いますので、少しご紹介します。
「私たちは、手を動かす」
「私たちは、オープンにする」
「私たちは、誰かをおとしめない」
「私たちは、分断を煽らない」
「私たちは、何事も決めつけない」
この5つがバリューとして掲げられていますが、私の知る限り、国政政党でこれらを掲げているところは今のところないと思います。
「誰か1人」を選ぶ首長選挙に向いてなかった疑惑
私自身は2年前に東京都杉並区の区議会議員選挙で惨敗しましたが、そのとき掲げていた理念とも「チームみらい」の理念は合致していると感じています。
安野さんはAIという技術面のプロフェッショナルです。私は文系なので技術力やエンジニアの心構えはありませんが、目指している未来は近いと、都知事選の時に感じていました。
都知事選挙では、大勢の候補者から、実際は一人しか選ばれません。そのため、首長を決める選挙のシステムでは、安野さんの能力を十分に発揮しにくかったのかなと残念に思います。
しかし、国会や地方議会など、複数の議員がいる場であれば、新しい価値観、つまり「デジタル技術の活用」や「透明性の高い政治」が実現できる可能性があります。
民間ではここ数年、テクノロジーを活用した政治の透明化や効率化が叫ばれてきましたが、政治の世界はなかなかアップデートされていないと、多くの人が感じているのではないでしょうか。
私は「ネットメディア研究家」として、SNS周りなどの影響について話をさせていただくことが多々ありますが、ここ1年ほどの政治状況を見ていると、「オールドメディア」に対する批判が、選挙の原動力になっている側面があります。
従来からある新聞やテレビのメディアは既得権益のかたまりであり、私も否定はしません。しかし、必ずしも嘘をついているわけではなく、誰かの忖度(そんたく)だけで動いているという前提で決めつけるのはよくありません。
勢いがあるからこそ「候補者選び」は慎重に
今回立ち上がったチームみらいは、「何も決めつけない」という価値観を掲げていますが、現在の社会は価値観が揺らぎ、「けなし合い」や「分断」を招く状況になっています。
ある県知事選をめぐっては、命を絶たれる方もいました。これは本当に健全な民主主義と言えるのか、私は強く疑問を感じ、危機感も覚えています。
私も杉並区議選では、候補者として663票をいただきました。地元の政治に対する意識を変えようとしましたが、最近の選挙の流れを見ていると、政治に対する不信感は増すばかり。抜本的に時代に沿った価値観をアップデートしていく必要があると常日頃から思っています。
安野さんの記者会見を受けて、ようやく政治の動きに新しい価値観を託せるのではないかと評価しています。
これからどのようなメンバーになるのか気になります。たとえば国民民主党は参院選にむけて急速に候補者を擁立しています。数年前の日本維新の会もそうでしたが、急拡大を進める政党では、素質や能力がわかりにくい方が候補に入る可能性もあります。
また、立党の精神を忘れ、「票が取れるから」といって、人選が雑にならないかという疑念もあります。
参院選はあと2、3ヶ月後に迫っています。安野さんは比例代表での出馬が報じられていますが、選挙区で誰が出るのか、比例代表で他にどんな方が集まるのかも気になるところです。
国会議員は「全国」を見る必要がある
「チームみらい」から現在発表されているのは理念的な部分だけで、具体的な政策はまだ出ていないようです。
デジタルを活用して社会を推進していくという大枠のテクノロジー面は出ていますが、一歩踏み込んだ政策がどうなるか期待しています。
安野さんは「ブロードリスニング(広く国民から意見を集めること)」を重視し、間接的ではなく直接民主主義に近い方法で意見を政策に反映していくのではないかと思います。
しかし、そうすると、地方議会や国会議員の役割はどうなるのかという問題もあります。
技術が進めば、「代理人」としての議員の存在意義が薄れる可能性もあり、有権者や支持者の意見だけで動くなら、その人である必要がないのではないかということにもなりかねません。
ブロードリスニングを進めすぎると、現状の間接民主主義で議員を選出する仕組みとの相性が悪くなり、理想と現実のギャップが生じかねません。
また都市の規模にも左右されます。安野さんが知事を目指した東京都のレベルなら、まだ実現可能かもしれません。しかし、国政になると全国が対象となり、中山間地域や過疎地、離島など地域ごとに課題が異なります。
それらを多数決にせず、地域ごとに適した政策を提案していくことが、技術だけでできるのかは今後の課題です。
とはいえ、「チームみらい」が目指す未来を、全体としては興味深く期待しています。
「当社が発表したものではない」は否定ではない

本日はもう一つニュースを紹介したかったのですが、時間が迫っていますので簡潔に。
NTTがNTTデータの完全子会社化を取締役会で決めたようです。
今朝から報道が出ていましたが、NTTデータは当初「当社が発表したものではありません」と否定するような書き方をしていました。そのため「また日経が飛ばし記事をしたのか」といったSNS投稿もありました。


ただ、これは否定しているというより、「我々が言ったわけではないが、考えているかもしれませんね」といったニュアンスで、実際には否定はしていないんですよね。
こうした言い回しは、記者発表ではよくあります。メディアの姿勢をめぐる問題とも関連するのですが、この件についてはまた機会を改めて話したいと思います。
それでは、また次回です。