「体力の限界」という、千代の富士の引退口上は有名だが、そのころ生まれた私が、すでに体力の限界を感じている……といった書き出しを思いついて、念のため時代考証をしてみると、千代の富士の引退表明は1991年で、私が生を受けてから3年も後のことだった。
「老い」を感じる瞬間は、と聞かれると、それぞれ人生のターニングポイントを語るだろう。三十路の折り返しを迎えた私も、これまで「酒に弱くなった」だの、「睡眠が浅くなった」だの、数々の場面で衰えを感じてきたのだが、さすがに今回は、エイジングを覚悟した。
筋肉痛が取れないのだ。
さかのぼること3日前、久しぶりに「リングフィットアドベンチャー」をやった。コロナ禍直後に、Nintendo Switchとともに買い求めたのだが、その後2度の引っ越しで、しまい込んだままに。最近ようやく発見し、再び始めることになったのだ。
そして迎えた初回、20分ほどやっただけなのに、翌朝から約3日間、両足の太ももが痛くて仕方ない。さっきビールを飲んで、ようやく痛みが落ち着いた気がするが、さすがに運動量に比べて、その疲労度に差がありすぎる。
ちなみに、リングフィットアドベンチャーのCMキャラクターである新垣結衣さんは、私と同い年。「ガッキーが若いんだから、私も若いのだ」と言い訳しながら、日に日に前へせり出しつつあるおなかをさするのだった。