仕事依頼・問い合わせフォーム

AIが「失われる文化」を救う!? 消滅危機言語×自動翻訳の可能性

イメージ画像 のらニュース
ブログ本文を元に、DALL-E3にて生成

2025年11月28日金曜日のらニュースでございます。

さて今日は、個人的に「これぞ」と思うニュースがなかったので、最近気になっている話題についてお話ししようと思います。

「AIが人間の文化を破壊する」という懸念

最近、生成AIの話題ってよく聞きますよね。私もいろいろ使っていますが、GoogleのNano Banana Proという新しいサービスは、非常に精度の高い画像を生成してくれるので、それを使ってYouTubeのサムネイルを作ったりしています。

コラムや毎日やっている「のらニュース」の際には、文章を投げ込むとパパッと作ってくれるので、とてもありがたいと思って活用しています。しかし一方で、AIが人間の文化を破壊するのではないかという懸念もあります。

例えば、著作権の問題です。ちょっと前に日本新聞協会という新聞の業界団体が、政府が出している生成AIのガイドラインについて、もう少し厳しく規制をかけた方が良いのではないかというニュアンスの意見を出しました。

新聞協会会長、AI検索の著作権侵害「法整備を急ぐ必要」 - 日本経済新聞
日本新聞協会の中村史郎会長(朝日新聞社会長)が14日、日本外国特派員協会で記者会見した。報道機関の記事に対する生成AI(人工知能)検索サービスの著作権侵害行為について「国民の知る権利を阻害しかねない。早急な法整備が必要だ」と述べた。AI検索...

著作権を持っている方からすると、自分の著作物がただ乗りされてしまうのではないかという恐れがあるのです。これは経済的な利益にも影響してきます。

人によって出し分ける功罪

一方で、情報文化の側面からも不安があるわけです。人間の価値観が主観的になりがちだとしたら、AIが本当に客観性を持つのか、もしくはAI自身が何を持っているのか、一体どこまで理解できるのかは分かりません。ただ、今は一人一人の好みに合わせた広告が表示されていて、「これをあなたにおすすめです」というレコメンドの記事が出てくるのが現実です。

そうなると、AIの自我に関係なく、利用者が日頃から興味を持っていることや考えていることが、かなり属人的な情報の取り入れ方になっていると感じます。

新聞はどちらかというと幕の内弁当のようなもので、さまざまなクオリティのものが組み合わされ、栄養バランスも考慮された形になっています。お漬物や煮物、焼き魚など、バランスが取れているのですが、利用者自身が選ぶことはできません。例えば、糖質を制限しなければならない人にでも、ご飯が付いてきてしまうこともあります。

栄養バランスより「あなたコレ好きでしょ」が優先される

一方、インターネットニュースは「ビュッフェ形式」で、好きなものを選ぶ形です。以前は自分で取りに行くことが主流でしたが、今はプッシュ型で、「あなたこれ好きでしょう」と届いてくるのが現状です。

となると、主食としての栄養バランスではなく、「あなたが好きな食べ物」が選ばれる状況になっている可能性が高まります。私の場合は年齢もあり、麺類を好むので焼きそばやうどんが多くなります。それだけを食べているのは栄養が偏る原因になりますし、本当にその人の豊かさや文化の向上に結びつくのか感じざるを得ません。

ただ、最近考えているのは、文化を守るためにAIを活用することもできるのではないかということです。ここからが本筋の話になりますが、生成AIには文化を維持するポテンシャルがあると感じています。

具体的に言うと、言語の話です。消滅危機言語については、皆さんも耳にしたことがあるかもしれません。ユネスコ(国連教育科学文化機関)が定めたリストによれば、この言語は消滅の危機に晒されています。

日本にもいくつかの言語があり、文化庁の公式サイトによると、アイヌ語や八重山、与那国、八丈島や奄美、宮古といった、8つの言語・方言が危機的な状態にあります。ユネスコが発表した最新のものでは、世界で約2500の言語が消滅の危機にあるとされています。

消滅の危機にある言語・方言 | 文化庁
文化庁では、消滅の危機にある言語・方言の実態や保存・継承の取組状況に関する調査研究をはじめ保存・継承に資する様々な取組を行っています。

私がAI活用ができると考える理由は、音声翻訳技術です。自動翻訳の進展があり、AI技術を使った自動翻訳ツールが開発されています。日本語もその中に取り入れられていますが、日本語市場はそれなりに需要が一部存在しているため、経済的な面からも注目されています。

技術的に言語を残せば、将来的に話者が増えるかも

しかし、金銭的な利益はもたらさないかもしれませんが、文化面を考えると、主要でない言語も対応して欲しいです。もし、将来的に消滅危機言語が対象となり、新たに学習環境が整えば、趣味としてでも第2言語や第3言語としてそれを学ぼうとする人たちが増えてくるかもしれません。

しかしその際、教材や参考資料が必要であり、ネイティブスピーカーから学ぶのが最も効果的です。ただネイティブの人でさえ、知らない表現が多くあります。しかし、AIによって過去の文献や音声データを集めて、消滅危機にある言語の再興や復活が可能になる側面があると考えています。

最近、このように考えています。AIが単に人の心をすさませるだけでなく、文化面で活用することで人々の心を豊かにする可能性も十分にあるでしょう。そんなことを考える今日この頃です。それでは、また次回です。

(以上はコラムニスト・城戸譲が、ポッドキャスト「のらニュース」などで話した内容を、AI文字起こし・要約によってブログ記事化したものです。公開時点で最新情報ではない可能性があるため、その点はご了承ください)
タイトルとURLをコピーしました