以前とある会社に勤めていまして。アルバイトから始めて正社員に、配置転換や昇進を経て、独立してからは下請け業者に。そして、取引もなくなり……。いまは弱小株主をしております。
生きている限り、肩書は変わっていくものです。実は私、2023年の杉並区議選に出たんですが、その時に各種書類には「職業:コラムニスト」としたんですよね。それでも、一部の報道機関には「政治団体代表」と報じられました。
たしかに当時の私は、自分を代表とする政治団体を持ち、そこからの公認候補として出馬しました。なもんで「政治団体代表」であることは事実なんですが、それが私を代表する肩書なのかと言われれば……?
ペーパーカンパニーの代表取締役が「会社経営」と自称するなら、まだ信用を高めるメリットがありますが、「34歳、諸派、政治団体代表」なんて、うさんくささしかないじゃないですか。でも記者さんからは「それが決まりなので」と言われてしまったのでした。
自分が名乗る肩書と、周囲からの肩書。会社員時代には「編集長」やら「部長」やらを拝命しましたが、それはあくまで、“現在の状態”でしかない。「政治団体代表」も、そのくくりだと思うんですよね。
とはいえ、一般的に職業を説明するときには、職種を言うんですよ。会社員時代を含めて、一貫しているのは「編集業」あたりでしょうか。個人事業主を始めるにあたって、税務署に出した開業届には「文筆業」と書いていました。このルールで言えば、「コラムニスト」もこっち側ですよね。
要は何を言いたいかというと、「職業:政治団体代表」とするのであれば、それが収益になっている人のことでしょ、と。少なくとも私は、そうじゃないんですよね。残念ながら。
それでも「決まりなので」と通してしまう業界慣習。こういうとこから「オールドメディア批判」につながるんじゃないですか?