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「法律家はエビデンスに基づくのでは?」 国民・山尾志桜里氏の出馬会見に感じた「世論とのギャップ」

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ブログ本文を元に、DALL-E3にて生成

2025年6月11日水曜日、のらニュースでございます。

SNS時代の情報との接し方について

昨日はですね、午後から少し出かけまして、とあるメディアのインタビュー取材を受けてきました。インタビューをする側の経験はすごくあるんですけれど、受ける側というのはやはり少ないですね。しかも、数人の方を相手にお話しさせていただいたので、少し面接のような気分でした。

さて、実際に記事が出ましたら改めてご紹介したいと思いますが、「今の世の中において、情報がどのようにネットで消費されているのか」という話をお話しさせていただいております。

私、インターネットのニュースの記者を10年以上やってきているわけなんですけれども、そこで得た経験を活かし、「ネットメディア研究家」で「炎上ウォッチャー」をしております。

SNS時代の情報との接し方を、専門的な形ではなく、普段何の気なしに情報に触れている人たちと共有することで、新たな知見が得られるのではないか。そういう考えからですね、何かできないかなと思っておりまして、それが少しずつ固まってきたので、きのうは別件で、そのプレゼンもしてきました。

やや手応えのある観測でしたので、7月、8月くらいから月に1回程度まずやってみようかなと思っています。前提知識はほとんど必要ないイベントを予定しています。情報に興味がある方がいらっしゃいましたら、改めてお声かけしますので、よろしくお願いします。

山尾志桜里・元衆院議員が、参院出馬会見

さて、国民民主党から今年の夏の参議院議員選挙への立候補を表明している山尾(菅野)志桜里さんの出馬会見が行われました。山尾志桜里さんについては、8年前、当時衆議院議員だった頃に不倫の疑惑が報じられ、結局今回の会見でも「不倫はなかった」という認識を貫いているように見えました。

細かい部分が極めて抽象的で、何を話しているのか分かりにくく、Xのタイムラインを見ていると、これによって国民民主党の党勢にも影響が出るのではないかと不安視する声が上がっています。

具体的にどういう報道が8年前にされたかについては、皆さんにお調べいただければ早いかなと思いますので、ここでは詳しくはお話ししません。

約2時間半の会見を倍速で見て感じたことは、やはり核心部分に触れていない。不倫報道が事実ではないとしているならば、最初から「私は事実ではないという認識を持っていた」と明言すべきだったと思います。

オブラートに包むことで「逃げている」と感じさせる

冒頭発言では、秘書関連などの話をして、最後に不倫報道に関する話をしましたが、「不倫」という表現は使わずに、「8年前の行動」といった抽象的な表現に留めていました。

そういったオブラートに包むことによって、何を言っているのか分からない部分があり、またこれで「逃げているのではないか」という印象を与える結果になってしまうのです。

「報道に対して向き合っていないのではないか」との印象を与えてしまうというところが、私がまず感じたことです。

フジテレビの「やり直し会見」を思い出した

山尾さんの会見を見て思いだしたのが、フジテレビの2回目の会見です。最初の会見はクローズドな場で開かれ、3回目の会見は第三者委員会の報告を受けたものだったと思います。

こうして「フジ会見の動物園化」は避けられた…「三度目の会見」でクレーマー記者を黙らせたフジテレビの奇策 膨大な量の報告書の内容を「新社長たった1人」で対応した
フジテレビの3度目の会見では、前回と比べて一部の記者による紛糾は起こらず、視聴者からの批判も抑えられた。一体なぜなのか。ネットメディア研究家の城戸譲さんは「数百ページにわたる報告書について新社長1人が対応し、地上波中継を途中までにするなど、...

3回目の方は非常にうまくいったとプレジデントオンラインのコラムにも書きましたが、2回目の会見は結局、第三者委員会の調査を決定し、まさに調査を委ねようとしていた段階で、仮に事実として経緯を把握していたとしても、公にはできないことがあるわけです。

言えないことがあるけれども「会見を開け」と言われているから開く。しかし、核心部分については言及できない。取材者が聞きたいのは核心なわけで、そこで誤解が生じた結果、追及する取材者と、逃げる登壇者の構図になる。そうしたフジテレビで会見の再現が今回あったように思いました。

「これだけ待たせたんだから…」ハードルは日々高まる

立候補予定者として発表されたのが数週間前だと思いますが、なぜ今まで時間がかかったのか、そしてなぜこのタイミングで会見を開いたのかが、納得感を欠く背景にあるのではないかと考えています。

要するに世間は、「これだけ引き延ばしたのだから、しっかりしたロジックに基づいた説明がされるのではないか」と考えました。全面的に認めるか、完全に否定する証拠を積み上げることを想定していたのですが、ふたを開けてみると「すみません」「ごめんなさい」「言えない」という言葉ばかりで、すると結局その根拠はどこにあるのかという受け止めになってしまいます。

「法律の専門家」としての評価軸がブレる

山尾さんは非常に能力のある方として評価されています。元々検察官を長く務め、現在も弁護士として活動されています。

そのような背景から「法解釈に詳しい」という世間の認識があったからこそ、これまで政治家として支持されてきたわけです。ですから、不倫が仮にあったとしても、再挑戦することが許されるという見立てで、今回のチャレンジに至ったのでしょうか。

ただ、真実か虚偽かの論理的説明すらできないとなると、法の専門家と言えるのか疑問が生じます。相手方から民事訴訟を提起された場合、どのように対処できるのでしょうか。もちろん民事の訴訟、例えば「不倫をしただろう」と訴えられた場合、肯定する場合は「こういう理由でそうなった」とのロジックが必要です。また否定する場合も、「こうした証拠があるから違う」という説明が欠かせません。

SNSの波にのっていた国民民主党

つまり真実の正当性が重要となるわけです。いちおう自分も法学部出身なので、少しはそのあたりの感覚はあると思っています。

ということで、今回の会見によって、山尾さんに対する「法に詳しい」という評価が問われます。そして、そのような揺らいでいる方を、このタイミングで公認しようとする国民民主党の執行部の責任も問われることになるでしょう。

このような感情的な問題は、SNS上で盛り上がりやすい傾向があります。国民民主党はまさにSNSの波に乗って躍進してきた政党ですから、SNSが手のひら返ししてしまった場合、どれほど支持者が残るかが問われるところです。今回の流れを見ると微妙で、都議選やその先の参議選、あるかもしれない衆議選に向けても何らかの影響が出るのではないかと心配しています。それではまた次回。

(以上はコラムニスト・城戸譲が、ポッドキャスト「のらニュース」などで話した内容を、AI文字起こし・要約によってブログ記事化したものです。公開時点で最新情報ではない可能性があるため、その点はご了承ください)

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