急いで帰らなきゃと、家路を急ぐ土曜午後。
小学校前にある歩道橋を駆け下り、電気屋さんの前を通り過ぎた途端、ブラウン管からファンファーレが響いた——。
そんな「いつかの思い出」でも、ちょっとググりゃ、すぐ日付が特定できる。
あれは1998年2月7日、長野オリンピックの開会式だった。
小学校では当時、月2回の土曜登校が設けられていた。
いわゆる「半ドン」で授業が終わると、おなかをすかせて家へ帰る。
あの日は、幼心に「開会式が始まる前に、家に帰ろう」とでも思っていたのだろうか。
そのあたりの記憶はあいまいだが、「これは目に焼き付けなきゃな」と、しばし電気屋さんの前に立ち尽くしたのを覚えている。
さすがに「つい昨日のように」とは言わないが、それなりに鮮明に記憶している光景なのに、もう26年前だというから驚きだ。
日本時間で明日未明、パリ五輪の開会式が行われる。
夜ふかしはカラダに良くないけれど、「夏休みだから」と待ちわびる小学生もいるのだろうか。
……いや、見逃し配信か。