2025年7月9日水曜日、のらニュースでございます。
「運がいいことに能登で地震があった」
本日のニュースをご紹介いたしましょう。日付が変わった直後に収録していますが、今日かなり盛り上がると言いますか、バッシングが出るのではないかなという話題です。
7月8日、自民党の参議院候補者の個人演説会が、和歌山市内で開かれました。そこに登壇した鶴保庸介参議院予算委員長(今回は非改選)が、応援演説で、「運がいいことに能登で地震があった」という発言をしたと。実際の映像はまだ確認できていないのですが、各社の報道でこの発言が伝えられている以上、おそらくそう言ったのでしょう。
言った理由ですが、鶴保さんが二拠点居住、二地域居住を推進する立場にあることから、2024年の能登半島地震をきっかけにと、例えば「輪島と金沢」というような二拠点の生活を送るようになったという文脈で使ったようですが、この表現はどうかと思います。
「批判を招きそうだ」報道には気をつけるべきだが…
各社の報道を見ていると、例えば読売新聞は「被災者の心情を逆なでするような発言として批判を招く可能性がある」、日本経済新聞は「被災者の心情を逆なでする不適切な発言として批判を招く可能性がある」とのことです。時事通信は「不適切な発言として批判を招きそうだ」としています。



こうした報道について、数ヶ月前にプレジデントオンラインで書いた記事があります。そこでは、政治家の発言を判断するのはメディアではなく、受け手一人一人であるべきだという話をしました。こうした「批判を招きそうだ」という言い回しについて疑問を呈しましたが、この鶴保さんの発言は明らかに問題ですよね。

「裏金」イメージが残るなか、これはレッドカードになる
「運がいい」という表現と「天災」がそもそもマッチしないと思います。前提として、被害に遭われた方がいらっしゃるということ、未だに復興についての議論が重ねられている状況の中で、配慮が至らない表現をしてしまうことが、どれだけ考えられていたのか非常に疑問に思います。
閣僚としては、2016年から2017年までの北方沖縄担当大臣が唯一の入閣経歴ですが、現時点で参議院の予算委員長という、国会の中で最重要ポジションにいる方がこういう発言をすると、どう受け止められるのかということを理解していたのか疑問です。
自民党はいわゆる「裏金」と言われる政治資金問題について、有権者にマイナスイメージが残っている状況で、ここで一つでも問題があれば赤信号になってしまいます。現在、自公の過半数割れが予想されている状況の中で、衆議院も参議院も少数与党で居続けられるかどうかわからない中で、ここで発言をするとどうなるかをしっかり考えるべきタイミングだったはずです。それなのに、うかつにも程があるなと思います。
早期対応できなければ、党勢に影響が出かねない
鶴保さん自身は、発言をその日のうちに、撤回・陳謝しましたが、それだけでは済まないと思います。しかるべき立場を辞任するなど、早めに行動しない限り、自民党全体への打撃は否定できません。
自分の政策をアピールするために悲劇を引き合いに出すこと自体がナンセンスですし、それが1998年初当選のベテラン政治家の発言であることを考えると、理解に苦しむ面があります。
現在行われている参議院選挙では、自民・公明の与党が今後も政権運営を続けられるかが重要なポイントです。そこで、いかに自民党の党勢を回復し、ネガティブイメージを払拭するかが問われています。発言をすることで何が起こるかは、ある程度予想しなければいけません。
もしこの後、適切にかつ迅速に対応しなければ、どうなるかという話になります。選挙中の多忙なときであっても、こうした発言に対処できない党執行部であれば、石破茂首相の元で自民党政権を続けられるのかどうか疑問です。仮に野党に転落したとしても、石破執行部の能力がどうなるのかという話になってきます。
自民党には踏みとどまってほしい
おそらく今日か明日には少し状況が動くのではないかと思っています。個人的には今回の参院選では、自民党に投票する予定はないですが、踏みとどまってほしいと考えています。
今回の参院選では、私が願う「国力」とは異なる「国力」を強めようとする勢力もあります。そのため、自民党には踏みもらう方が、明るい未来が見えると思っているためです。
だからこそ、適切に対応してほしいなと思う今日この頃です。それではまた次回です。
(以上はコラムニスト・城戸譲が、ポッドキャスト「のらニュース」などで話した内容を、AI文字起こし・要約によってブログ記事化したものです。公開時点で最新情報ではない可能性があるため、その点はご了承ください)