2025年6月28日土曜日、のらニュースでございます。
西日本は梅雨明けしたらしい
さあ、毎週金曜日の午後くらいからウォーキングするのが当たり前になっていたんですけれども、今日は東京地方が夕方から夜にかけて雨が降っていたので、途中で切り上げて帰ってまいりました。

梅雨明けを西日本の方はしたようですが、関東の今日は梅雨というより、どちらかと言うとゲリラ豪雨に近い降り方でした。関東も遅かれ早かれ梅雨は終わると思いますが、本日のニュースをご紹介いたしましょう。
「リチウムイオン電池の処分」総務省が調査

数日前になりますが、6月25日に発表された総務省によるリチウムイオン電池等の回収再資源化に関する調査報告が出ました。リチウムイオン電池というのは、充電して放電を繰り返せるタイプの電池のひとつ。ここで背景をお話ししましょう。
「近年、リチウムイオン電池(LIB:Lithium-Ion Battery)の使用製品の増加・多様化に伴い、市区町村が回収するごみへの混入による処理施設等の火災事故等が頻発し、ごみ処理が滞ることによる社会生活への影響などが懸念されています。
LIB等の回収・再資源化については、法令等に基づき、製品メーカー等には自主回収等の責務があり、市区町村には一般廃棄物の統括的な処理責任があります。一方、国による製品メーカー等の自主回収等の取組状況の把握や、市区町村による回収の実施は一部にとどまっており、回収・再資源化の全体像は必ずしも明らかになっていません」
こうした状況を受けて、総務省が調査を行いました。調査対象は43の市で、一般ゴミに混入したLIB製品約2900点を分析したところ、加熱式タバコ、携帯電話、モバイルバッテリー、電気かみそり、電気掃除機などが多く混入していました。
さらに、自治体側は、このLIB等の回収にあたり財政的な負担や処理事業者の確保といった課題があるとの意見が見られました。また、最終的には処理事業者が委託されずに埋め立てや焼却ストックしている例もあるとされています。こうした処分方法や保管方法が正しいのか、総務省や国にはしっかりと出してほしいという意見も出ていたようです。
清掃工場火災で「復旧まで3年、25億円の費用」の事例も
総務省の試算によると、住民はLIBの過半を自治体に排出している可能性があり、自治体は回収したものの4割から5割を焼却や埋め立て、ストックしている可能性が示されています。
リチウムイオン電池をゴミに捨てることによる弊害は実際に起きており、2024年12月に茨城県守谷市にある上総環境センターというゴミ処理施設でリチウムイオン電池の混入が原因と思われる火事が発生しました。12月の話ですが、7月になっても施設は復旧しておらず、代わりに民間に委託している状況です。
守谷市を中心に4つの市が運営している処理施設では、復旧工事に25億円がかかる試算があると伝えられています。不燃ゴミでも燃えるゴミでもリチウムイオン電池をそのまま捨てることは怖いですし、燃えるゴミで出されて、収集車の段階で潰されてしまうと、火災に巻き込まれる可能性もあります。

また、壊れていないリチウムイオン電池が家にある段階でも、時折発火するという報告があがることがあります。リチウムイオン電池は非常に便利で日常生活に密着していますが、そうした危険があることは常に頭の片隅に置いておかなければなりません。
「回収ボックス」見たことありますか?
さらに、メーカーに自主回収の責任があることが指摘されていますが、それが一部にとどまっているという問題もあります。業界団体で回収しているところもありますが、その団体に加盟している企業のバッテリーに限られていたり、回収箱の設置場所が非常に少なかったりするため、気軽に回収に出すのは難しいのです。
また、メーカーが例えば買い替え時に回収サービスを提供している場合もありますが、実際に目にする機会は少ないです。普通のゴミと一緒に回収するのが楽ではありますが、それが自治体側の負担を大きくすることにもつながります。どう処分するかという問題は、民間業者に頼むか、ストックしたまま保管するかで、処理の手間が先延ばしにしかならないのです。
市区町村はリソース不足。だからこそ、国は「丸投げ」しちゃダメ
今回総務省は調査を行いましたが、メーカーや市町村の現状を調査し、もっと対策を進めることが必要だと感じます。これは国が取り組むべき問題です。
市町村だけでは、特に小規模な自治体ではリソースが不足することがあります。実際の事務を担当するのは市町村でありながら、回収後は国が主導した処理施設へ運ぶ仕組みが必要です。メーカーの責任も果たしてもらわないといけません。小型家電の回収については、家電リサイクル法で購入者が処分費用を負担する形になっていますが、電池に対しても踏襲される可能性はあるでしょう。
今後、リチウムイオン電池もこの枠組みに取り込むべきタイミングに来ていると感じます。小さい電池はさまざまなところに存在し、使われています。そして、簡単に充電池を実装する仕組みができている一方で、新たな問題も出てくるのが現実です。
全国統一の「捨て方」を作るべき
私は、できるだけ乾電池式の製品を選ぶようにしています。乾電池式の方が交換がしやすく、乾電池型の充電池も、ある程度の回収実績があることで安心感があります。
現在、私が住んでいる東京都杉並区では、小型充電式二次電池を回収する拠点に回収ボックスが設置されています。一般社団法人JBRCが業界団体として、地域の区民センターなどに回収箱を置いています。

リチウムイオン電池やニッケル水素電池などの回収を呼びかけていますが、そこまで足を運ぶのが難しいこともありますし、大量に入れることもためらわれます。もっと全国的に統一した出し方を導入したり、燃えないゴミに合わせた形で制度設計を進める必要があるのではないかと感じています。それでは、また次回です。
(以上はコラムニスト・城戸譲が、ポッドキャスト「のらニュース」などで話した内容を、AI文字起こし・要約によってブログ記事化したものです。公開時点で最新情報ではない可能性があるため、その点はご了承ください)