2025年6月1日、日曜日、のらニュースでございます。
さて、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は仕事と、ごろごろの午後を過ごしておりますけれどもね。いや、なんだかんだ家族サービスをしていたら、夜中になってしまう状況でございます。
遅い時間になりますと、なかなかいろいろな話をするテンションでもなく、頭も回らないということで、簡潔に済ませようかなと思います。
強風で燃えかすが飛ぶおそれ
昨日、5月31日、東京都の足立区で行われる予定だった「足立の花火」が中止になりました。
昨年も中止だったので、2年連続の中止になります。2024年は落雷の恐れが理由でした。

しかも、今までは7月の下旬に開催されていたのですが、今年は熱中症など健康上のリスクや天候による中止のリスクを考慮して5月に開催時期を変更していたそうです。
そのため、熱中症のリスクについては、昨日は気温が低かったので良かったのですが、雨もかなり降っており、風も強かったのです。もしものことがあればということで中止にしたのだそうです。
具体的には、強風により花火の燃えカスが民家に落下する可能性が高いということで中止を決めました。
川沿いで夏の盛りの時期に開催すると言っても、周辺には住宅がありますから、燃えかすが飛んでいってしまい、もし火が完全に消えていなければ、火事が広がる可能性があるということです。
そう考えるとリスクが大きいため、中止の判断は賢明だと思います。ただ、楽しみにしていた方にとっては残念ですね。
「場所取り不要」が有料席のメリット
足立の花火は2年連続中止ですが、その前の年、直近の開催回を見に行きました。足立に住んでいる知り合いから声をかけられて皆で見て、すごく感動しました。インパクトがあり、「ああ、花火を見たな」という満足感に浸れる花火大会でした。
おそらく周辺の住民の方々も特に期待していたのではないかと思います。
最近では、足立の花火に限らず、有料席が設けられています。場所取りをしなくても指定席が取れるという形です。
その有料席、今回も販売されていたのですが、中止の場合は払い戻しが行われるそうです。
しかし、前もってお金を払っているので、心情的に焼きもちを焼く人も増えるだろうと思います。
ふるさと納税の返礼品にもなっていた
「足立の花火」は、ふるさと納税の返礼品にもなっていました。
ふるさと納税と言うと、少額の貢献だと言われることもありますが、私は男が好きな観点と、ファイナンシャルプランナー2級の資格も持っているので、その立場からすると、活用した方がいいのではないかと思います。

返礼品の場合は払い戻しの概念がないため、中止になると繰り越しで翌年に持ち越すこともできず、ただ単に権利が無効になる形だったと記憶しています。もし間違っていたら申し訳ありません。(※2025年の場合は「荒天時は中止となります。中止の場合、寄附金の返金はありませんが、心ばかりの品物をお送りさせていただきます」との注釈あり)
ただ、返礼品というと物品が必要というわけではなく、こうしたイベントで記憶に残る「体験型の返礼品」であれば、ふるさと納税の返礼品競争は、肉を大量に送りつけるような従来の形とは違う方向があるのではないかと思いました。
イベント中止でも、諸経費はかかるわけで
有料席に目を移すと、全国的には、徳島の阿波おどりのように注目されている例もあります。かつて前徳島市長も、その話に触れていました。

イベントごとにお金を取ることに抵抗を感じる考え方もありますが、そのイベントが今後も成り立つためには何らかの形でマネタイズしないと難しいのです。
今回、足立の花火が2年連続で中止になりましたが、中止になった場合でも用意していた花火の玉の処理や、会場設営、警備スタッフの動員、交通規制など、多くの準備が必要で、費用の持ち出しがゼロにはなりません。
有料観覧席からの収入はゼロになる一方で、一定の支出が発生するので赤字になるのです。これが何年も続くと採算が取れず、開催をやめてしまう可能性もあります。
だれがコロナ禍を予想できたか?
足立区は東京でまだ採算が取れるかもしれませんが、地方のお祭りなどではより難しい状況になることも考えられます。
伝統あるイベント、例えば第47回を迎えた足立の花火を継続するにはどのような方法がベストなのか考えなければなりません。
また、近年は予想できないリスクが増えてきています。熱中症の問題は、初回の開催時にはそれほど課題になっていなかったでしょうし、ここ数年ではコロナ禍があり、感染予防で夏でもマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保つ必要が出るなど、6年前には誰も予想できませんでした。
いつどのようなイレギュラーが起こるか分からないことを常に考えていかなければなりません。
夕方になって…直前の中止発表だった
一方で、イレギュラーを完全に抑えるのは難しい部分もあります。
実際、足立の花火も直前まで予定通り開催を発表していました。15時の時点で雨天が予想されましたが開催予定とし、最終的に17時30分に中止が発表されました。
発表の段階で既に近くに来ている人や現地に着いている方もいたかもしれず、そのタイミングでの中止決定は難しい面があります。
この有料席は、最も高い席で4人掛けのテーブル席が2万円でした。1万5000円、1万円、5000円、6000円の席もあり、購入できるエリアはいくつかあります。
私の地元である東京都の杉並区でも阿波おどりが行われており、数年前から有料席が注目されています。
「インバウンド料金」じゃない形で、需要を生かせないか
そうした有料席はどういう扱いになるのかも問題です。お金の面では、日本全国でインバウンド需要がありますので、「インバウンド特別席」のようなものを設けてもいいのかもしれません。
ただし「外国人だから」という理由で高額にするのではなく、「日本文化を楽しめる」という付加価値を提供し、追加料金をもらう仕組みも考えられます。ぼったくりではありません。
例えば、着付け体験が楽しめたり、手裏剣付きの忍者体験といったイベントなど、花火や祭りにプラスする形で体験型の消費活動を増やしてほしいと思います。
有料席に反対する方もいますが、客が来ることが前提です。
母方の実家がある島根県松江市に有るのですが、そこで毎年行われている「松江水郷祭」という花火大会でも、有料座席が導入されました。初年度は売れ残りが多いとニュースになりました。

集客と収益のバランスをどう取るかは難しいところですが、稼げるところで稼いだ方が、イベントそのものがなくなるよりは良いだろうと思っています。
それではまた次回です。
(以上はコラムニスト・城戸譲が、ポッドキャスト「のらニュース」などで話した内容を、AI文字起こし・要約によってブログ記事化したものです。公開時点で最新情報ではない可能性があるため、その点はご了承ください)